「地の目」の話│和衣庵
2022/11/04
「地の目」のお話
こんにちは!京都西院にあります着物なんでも屋さん和衣庵です。
今回は「地の目」のお話です。
「地の目を通す」とは、布は経糸(たていと)と緯糸(よこいと)で織って作られてますが、そのたて又はよこを揃える事を言います。
これが着物ですとなかなか厄介なことです。
「地の目」が斜めになっている反物を無理やりに
まっすぐに直すことは「仕立て屋」としては出来かねることをまずご理解いただきたいと思います。
織物は、縦糸と横糸の絶妙なバランスで反物が出来上がっています。
無理やり「地の目」を直そうとするとそのバランスが崩れ、時間が経つと元に戻ろうとする力も働き、今度は仕立てのバランスがおかしくなりあまりきれいでなくなります。(これは「幅出し」にも言えることですね)
基本的に正絹の商品は地直しをしてお仕立てをします。ですので地直しがアイロンできちんと出来る反物はすっきりと仕立てる事ができます。(プリント柄の歪みは地の目を通した場合そのまま歪んで仕立て上がります)
しかしながら紬等は仕立て屋の技術だけでは地直しは正直、直せません。
ある程度の歪みは裁ち合わせの工夫でお仕立てする事は出来ますが、やはり多少の柄の歪みは出てしまいます。歪みがひどい場合は地の目は通さず真っ直ぐに裁断するので柄は斜めになってしまいます。
さらにひどいものは織元様にご連絡頂き直して直すことが必要です。
また化繊の物に関しては地直しは出来ません。
横段柄、格子柄もので地の目が歪んでいる商品をそのまま仕立てますと袖底、裾など歪みが目立つことになります。それが紬(織物)の特徴でいいところでもあるし、ちょっとやっかいなところです。
風合いとしてお楽しみいただければと思います。
格子柄や、横縞のような歪みが目立つものは歪みが目立つので、
職人さんにお直しをお願いせねばなりませんが、先に述べたように無理やり直すことは
難しく、また100%まっすぐにすることは困難です。
きつすぎる場合はご連絡いたしますが多少の地の目のゆがみが出るこがある場合を
どうぞご理解くださいませ。
(歪んでる反物を、まっすぐ切るからです)
どうぞよろしくお願い致します。