裄と身幅の関係【着物のことなら京都市西院の和衣庵】
2023/03/20
裄と身幅の関係は複雑です
今回はお直しのお話をさせていただきます。
着物の良いところは、仕立て直してお嬢様や、お孫さんが着用できるようにしたり体型が変わってもちょっと直したり、裾が擦り切れてきたら少しカットしてキレイにしたり、、、
とかそんなことができるところだと思います。
現在、裄だけ直したり、身幅を直すだけのご注文も多いのですが、その際の注意事項を少しお話しさせていただきたいです。
まず知っておいていただきたいことは、裄(肩幅)と身幅の関係はとても重要であるということです。
基本、着物とはまっすぐ直線に縫う衣裳です。だから身幅と肩幅はあまり差がないような作りになっております。しかしながらご存じの通り現代の方々は、手足が長く、腰が細く昔の日本人のと体型とは異なります。
ですので裄を長く、そして抱き巾も身幅も小さめのご希望が多いのですが肩幅と身幅のつけられる「差」には限度がございます。
それはお直しも同じです。裄直しで肩幅を大きくする際に身幅が小さすぎるとキレイに仕上がりませんので、身八口の下まで解き、抱き巾を調整せねばならないことがあります。それはなかなか手間のかかる作業になります。また身幅直しは通常は脇で広げますが、着物によっては衽付け側で多く縫い代を取っていることがあり、その場合は衽側も直しますのでとても大がかりになります。
このように1枚1枚着物の状況が異なります。「直し」と申しましても1か所だけを、ちゃちゃっと解いて縫い直すだけではございません。1枚ずつ確認し、解く場所が多くなり追加料金を頂戴する場合や、一度解いてお仕立て直しをオススメすることがございます。
当店と致しましては一番良い方法をお伝えさせていただいております。
何卒ご理解いただきますとありがたいです。